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005 OM-31 その5

410. 知恵者の助言は称賛され、彼は平和の中に生きる。しかし悪賢い者は、恥をかき、争いの中に生きる。

411. 知恵と正義が有り、自らを取るに足らぬ者と見なし、希望を待ち焦がれる者は現実を見るであろう。しかし知恵も無く、不正で自らを過大評価し希望を期待しない者は、パンに欠乏するであろう。

412. 自分の畑を耕す者は、充分なパンを持つ。公正な仕事に専心する者もそうである。しかし不必要な事柄の後を追う者は、低能な愚者として欠乏の中に苦しむであろう。

413. 升で量る者は同量の升で量られる。裁く者は裁かれるのである。

414. 不義者の楽しみは損害を与える事である。しかし、義人は根をつかせ、木をもたらし、実をつけ、元気付けてくれる。

415. 悪人は独自の誤った言葉に縛られるが、義人は不安や恐れから解放されている。

416. 知恵と正義には、その口の実により多くの義がやってくる。即ち彼は自分の手で稼いだものに従って報われる。

417. 愚者はその誤ったやり方が良く気に入るのだが、真の忠告を聞く者は賢い。

418. 愚者は直ぐに怒りを表すが、恥辱を隠す者は賢い。

419. 正直な者は、正当なことを自由に語るが、偽りに満ちている者は、欺き、不義な事柄を語る。

420. 隣人が不正を話した時、隣人の気に入る様に同調する者は、欺き、急ぎ足をしている。

421. 誤ったことを話し、その場でシッポを押えられる者は。嘘付きであり、急ぎ足をしている。彼は誤った発言を、如何にも正当であるかのように歪曲する。

422. 真実の口の語る言葉は永遠に存在するが、誤った舌は長く存在しない。

423. 知恵者の口は賢さを見せるために持っているのではない。しかし愚者の口はその愚かさを触れ回る。

424. 泥棒は盗み、強盗は略奪するが、それでも彼らは貧しく不幸である。しかし義人は誠実にものを生み出し、富と幸福を獲得する。

425. 命は義の道に有り、そこに敷かれた道には、恐怖の死は無い。

426. 口の堅い者は命を守るが、口の軽い者は、驚きと恐れを作り出す。

427. 怠け者は欲しがり、惜しむ。勤勉な者は欲しがらず、働く。そして必要なものは全て保持する。

428. 義人は嘘の敵であり、嘘付きは真理を中傷し汚す。そして自分自身を冒涜する。

429. 真理は義人を守るが、偽りの本質は嘘付きを破滅させる。

430. 高慢の中にはいつも不和がある。しかし愛は、助言を得ようとする知恵者にある。

431. 財産は浪費されれば直ぐに少なくなるが、しっかり握られていれば直に大きくなる。

432. 真理の言葉を軽視する者は、自分自身を破滅させる者である。しかし創造の法則と掟に従う者は、生きるであろう。

433. 知恵の教えは命の泉である。それは喜びと平和を放出する。そして不安のワナは倒れ、真の生命が支配する。

434. 鋭敏な賢さは恩寵と喜びを作り出す。しかし軽蔑する者の愚鈍は、心痛と不安をもたらす。

435. 賢明な者は、全てを、理性を持って行うが、愚者は愚かさを広める。

436. 理由も無く怒って何度も多く語る者を、人々は恐れて後退りする。火花を飛ばす炎に後退りするように。

437. 不適当な時に語る者が、適当な時に語る者の話しの中に入っていけば、それは真夜中に狩に出たカラスが、フクロウによって眼をつつかれ視力を無くするのと同じである。

438. 知恵者は至る所で尊敬される。たとえ彼が貧しい家柄の出であってもそうである。知恵の無い者は、たとえ彼が王家の出であっても尊敬に値しない。

439. 人間は災いをもたらす大いなる者を尊び、敬うようであれば、彼の精神は薄弱である。しかし災いを破壊する知恵者を尊ぶ人間は、賢いのである。

440. 人にして欲しくない事は、他人にもしてはならない。

441. 人が為すべきでないことは、たとえ彼が命を奪われると脅かされても。二度としてはならない。しかし人としてするべきことは、放っておいてはならない。

442. 愚鈍と低能さの中に身を委ねている者は、してはならないことをするべきだと思い、達成不可能なことを簡単に達成できると思い、食べられないものを食べられると思う。

443. 言葉又は行いを持って隣人に攻撃を企てる者は、その前に知恵と賢さと正当な防衛で身を守っていなければ、致命的な底知れぬ穴を持つ危険な山の頂上を、眼をつぶって歩く人に等しい。

444. ヤギや馬の口はきれいである。牛の背中もきれいだ。不潔な人間は誤った考えを持ち、自分を清いと思い込んでいる。しかし知恵者はどこもきれいだ。心の中も、外見上の肉体も、彼の思考、処置、感情、又話も。

445. 嘘付きや中傷者は、偽りの不得策を真実のように見せかけることが出来る。それは熟練した画家が、平らな画面に凸凹を描き出すようである。

446. 激怒に煮えたぎる知恵者は、適切な処置、独自の知恵により直ぐに穏やかになる。

447. 知恵者は怒りで逆上する時、費任のある者のみを悪しざまに言い立てるのであるが、無関係な者には同時に平静で友好的に語る。知恵の無い者にはそう言うことは出来ず、当り散らす。

448. 知恵者は、ただ正当化された怒りの中でのみ爆発するため、責任者の心深く的中する言葉と行動(処置)のみを選ぶ。ただ知恵の無い者はそれを把握せず、理解しない。何故なら、彼は自己憐間と正当化に飢えているからだ。

449. 長い道程に疲れた知恵者は、日陰に赴き再び元気を回復してそこから立つ。知恵者の真似をせず、いたずらに嘆きを求める者は誰であろうか。

450. 隣人に対する過大な信頼は、過小評価、軽視、不名誉、無遠慮を生じさせる。絶えず訪れることによって、冷淡ど盲従が生じるのと同じである。一方知恵者の弟子も、同じ屋根の下に住み、知恵も無しに留まれば、知恵者に対する畏敬を失う。

451. 知恵の無い者は、知恵者の飲水中で泳ぐ、何故なら、彼らの依頼心は際限が無いからである。

452. 過大な信頼は嫉みをもたらし、あらゆる障害と全ての害悪にのしを付けて生じさせ、畏敬とあらゆる尊敬を破壊する。

453. 過大な信頼は、隣人は全てにおいて等しくあるべきで、彼は、独自の人間性に有る独自の本質を持たず、従って、彼の思考や行いである独自の本質は、もはや無いという妄想をもたらす。

454. 親類、知人、友人をあまり頻繁に訪れる者は、過大なる信頼と誉れ、節操、尊敬の欠如を生む。又決して成人に達しない子供をも生み出す。何故なら彼らは、子供達に自分自身の人生を選択させない、愚かで知恵の無い両親に抑えられるからである。

455. 聖都に住む者は、絶えずそこにいることによりそれが当然となってしまい、無神経に陥る時、あたり一面を汚している。

456. 誰かが他人に悪戯小僧と言い、自分自身が悪戯小僧である時ほど、世の中に馬鹿らしいことは無い。

457. 高貴な人は、話の中で非情言葉や偽りの言葉を吐いたり、あいまいな話をする者に近づくことを直ぐにやめる。たとえそう言う者が、他人に対して愛着を抱いていたとしても。

458. 激しい真理の言葉によって、怒りに燃えたり、攻撃されていると感じる者は、真理の言葉が激しいものであることを理解しない。彼は知恵を持たず、賢くなく、信仰を持ち、即ち誤った人格を持ち、倒錯した人生を導いている。

459. 貴方を見ないと、人は貴方を一目見たいと憧れる。貴方を目の前にすると、直ぐに別れが来ることを恐れる。ところが貴方を見たい、見たくないに拘らず、貴方の訪問があまり多くなると、人は貴方に対して屡々冷淡になり、飽き飽きした態度を見せる。だから喜びはもはや無い。

460. どんな人にも損害を加えてはならない。言葉によっても、思考や行いによっても、厚情や施しものによっても。それは知恵者の永遠の法則である。

461. 激しい痛みは、知恵の無い者や不義者を、知恵者や義人にもまして苦しめる。何故なら冷たい感精が、知恵の無い者の肉体や本性を直ぐに占領してしまうからだ。

462. 人は自分の足もとばかりをしっかり見ていると、誤って自分を偉大だと思ってしまう。しかし上方を見上げ。天の星の下で自分の小さき存在を見る者は、真に見る者であり、非常に多く知る者である。

463. 遠くの方から知恵を聞くだけで、それを自分のものにしない者は、自分の周りに置かれた不法のわなを見ない。

464. 未来のために実行出来ない計画を立てる者は、太陽の炎熱に輝く岸壁のように、永遠の休閑地を持つ者である。

465. 未来のために計画を立てて、そこから誤った悪徳の喜びに没頭する者は、足がもつれてよろめく間抜けのように嘲笑される。

466. 将来のために知恵有る準備をし、絶えず知恵を持って注意する者は、豊かな成功者と成る。しかし優柔不断な者は、自己の気分に左右され、不成功に悲しむ。

467. 隣人に被害がやってくることを認知し、自ら助言や行いに拠ってそれを遠ざける努力をする者は、知恵者であり、生命に値する者である。

468. 若さ、命、美貌、権力、友やあらゆる童達との交際は、泡沫のように消え去る。だから知恵者は、彼らと距離を保ち、彼らに執着しない。

469. 非の打ちどころの無い者は、自分自身を非難する。尊厳のある者は、自分自身に価値があると認めない。義人は自分自身と訴訟を起す。知恵者は自分自身に教え、人の言うことを聞く。しかし愚者は、誤った命の喜びと富を追跡する。

470. 嘘付き、無鉄砲、誤り、愚行、悪ふざけ、愚鈍、所有欲、貪欲、悪徳、無紀律、不潔、無慈悲、権力欲、支配欲、暴力、わいせつ、堕落、利己心、けち、怠惰、復讐、憎しみ、喜びの無いこと、不安と恐れ、正当防衛以外の殺害、不和と争い、その他全ての害悪は不幸であり、宗派や宗教信者の日常生活である。何故なら彼らは無知であり不当であり、倒錯した誤った人生を導いているからである。

471. 知恵者は貝のようだ。外側はざらざらして丸太のようだが、内部は滑らかで、しなやかで、こわれそうだ。そして美しく価値に富む真珠の宝を隠している。

472. 知恵者は、彼に危害を加える者に対して決して悪を企てない。何故なら彼は、悪人が不器用であることを知っているからだ。悪人は水で洗い流される岸辺に根を張り、自然に倒れていく木のようだ。

473. 知恵者に危害を加えても、人は皆、彼から利益を得る。

474. 知恵者は良い事柄を奨励するために敵に軽蔑されることを選び、正直者の注目を放棄する。何故なら良いことを中止することは愚行であるからだ。

475. 学問に秀でているが、真理や知恵の言葉に無知な者は、皆、学識者や無学の者の愚かさと同じく物笑いの種になる。

476. 科学者の学識ある頭は、学問に関する多くの知識を所有しているが、知恵、真理、愛、賢さ、真の知識には至る所で欠けている。

477. 最も取るに足りない問題が、ただ個人に関するものであれば、他の人々のいる集会の中でそれを話題にしてはならない。しかし、最も小さな事柄でも、全てに共通して言える事であれば、他の全ての集会の中で、それを話題にして良い。

478. 取るに足りない小さな害を及ぼす様なものであっても、その真理を偽る者は、直ぐに没落する。たとえ彼が大変信望のある人であっても。

479. 子供のいない家は空っぽだ。親類も友達もいない世界は空っぽだ。何の知恵も持たない人の人生も空っぽだ。

480. 愚者は問われない時に話す。だから彼は何の尊敬も得られず、冷笑を得るだけである。

481. 尋ねられなくとも、屈辱を与えずに済むような人には、彼に役立つ助言を語れ。

482. 他人に危害を加え、他人の不幸を喜ぶ悪人は、自ら害を生み、自分の破滅に気が付かない。

483. 不幸の時は、知恵者に取って収穫のチャンスに思えるが、愚者は、その中にただ驚愕と恐れしか見ない。

484. 嘘付きや中傷者を恐れない者は、知恵が有り、敵や王も恐れない。

485. とるに足りない者も知恵を付け、正義の人と成る時に重要になるが、重要な人が、他人より自分を高くみなすと無意味になる。

486. 不親切な話をせず、親切な話や努力に富んでいる、そのような人達で飾られた地を見出す者は、ほんの稀である。

487. ある人間に虞の愛を持っている者は、いつも愛の中に留まる。たとえその人間が好きになれ無い所を見せたとしても、そうである。それは炎に似ている。何故なら、万が一彼の家の中の最善のものが燃えている時、誰が彼の注意をそらせるだろうか。誰も外せないからである。

488. 友情のためにどんな苦境にもめげず、災難や苦労を忍耐する者だけが、真の友である。

489. 友情のために断固たる助言、不屈の真理、厳しいがためになる言葉を述べる者が、真に友と呼ばれる。

490. 真の友達は、あらゆる状況において人の心と感覚を喜ばせる。たとえ彼が真理のために、いくら気に入らないことを示したり、激しい言葉を語ったりしても。

491. 真の友は死んでもまだ忠実であるが、偽りの友は一度すら風の便りにも聞かない。

492. 弱き者は信仰に陥り妄想に惑わされる。しかし強き者は、求め、真理を見出し、より知識人となる。

493. あらゆる事柄における真理に到達することは、人間に取って楽なことではない。即ち彼は、知恵者の所で熱心に学び、忍耐しなければならない。

494. 仕事もしないで富を得るために。娼婦や男娼として身を飾り、他人に道具のようにして身を売る。しかし義人は、男娼や娼婦の様に身を飾らない。何故なら自分の義務に熱心であり、裕福で平和に生きているからだ。

495. 人間は全て望んだ事柄が成功すると、自分自身の行い、感覚、思考にのみ感謝する。そして人間が運命と呼んでいるものは。人間一人による功労である。即ち彼は、自分自身の運命を、自分の思考、感覚、努力、行いに拠って鍛え、造るのである。

496. 善人は、老人に親切に挨拶をする時に喜ぶが、愚者は誠実な人間を中傷する時に喜ぶ。

497. 青春、富、娼婦、男娼、雲の影、新品の洋服、偽りの友は、ほんの僅かの間だけ享受できる。しかし知恵は永遠に青春を保ち、不滅である。

498. 知恵の無い人間は愚か者である。何故なら彼は敵を友に選び、真の友達には好意を抱かず、彼に害を加えるからだ。だから彼は偏愛的意識を持ち、善を悪、悪を善だと見なしている。

499. 善行は冬を暖かくする火のようだ。善行は友の眼差しのようだ。善行は知恵者の知恵の様だ。善行は高潔な人と交わることの様だ。成就することは創造の愛である。

500. 燃える赤熱の鉄の上に落ちる水滴は、あっと言う間に消えてしまう。そのようにどんな知恵の助言も、悪人の耳に入ると、一瞬の内に消えてしまう。

501. この人は、私達の仲間の一人であるか、あるいは犯人かと、愚者、不義者、無知な者、その他心の低い人々は計算する。それに対して高潔な人々のとる処置方法は、全ての人間は彼の家族であると見なす。

502. 水によりダムは崩壊する。裏切りに拠り秘密の審議は無効になる。デマを飛ばしたり中傷により、偽りの友情と偽りの契りは破れる。真理の言葉により、足の早い者は倒れる。不義者、愚者、無知な者、悪人もそうである。

503. 思い、志望、行いによって人は醜行を買入れる。それによって人は、自らの中に生み出した地獄に走り自らの中の天国を失う。人はそのような思いや志望を抱き、行ってはならない。何故ならそれらのことは不義者のみが喜ぶからである。

504. 知恵者は、戦わずして得られる平和の救いが無いと見ると、敵と戦い死ぬ。何故なら彼の感覚、志望、知恵、平和は、彼の義務であり、彼から離れないからである。

505. 敵が家の中に入ってきたら、客として手厚くもてなさなければならない。あたかも木が、訪れる全ての者から木陰と保護を奪い、彼に倒れかかるようではいけない。

506. 車軸によって車輪は運ばれ、車軸は車輪の中で安定する。即ち知恵者にあっては、物事の運行がそのように回転して仕上り、知恵も同様に手に入る。

507. まことに人間は富の奴隷であるが、富は誰の奴隷でもない。


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006 OM-31 その6

508. 何の利点も、何の快適さも、何の栄誉も、何の名声もそこから生まれず、単に損害だけが生じるとしても、知恵者は自分の義務に忠実で、エネルギッシュに自分の仕事を行う。

509. 無知、愚者、冷笑家、無法者、その他の不義者を生み出す煩悩に、少しも忍耐出来ず、真理を求め、無知からの救いを求める者は、習慣的に救いに預かるであろう。

510. 僅かな悟性しか持たず、知恵に乏しく生きている者の全ての行いと願望は、燃える赤熱の太陽の下に流れる小川の様に涸れてしまう。

511. 妻は夫に取って彼の半身である。即ち夫は妻と一体と成り、全身となるのである。だから複数の妻を持った夫は、それぞれの妻と一体となるのである。夫に取って妻は最良の友であり、妻は富の根であり、快適さであり、美徳である。又妻は子孫を生み出す根である。

512. 愛を求める叫び声はクジャクを飾るが、知恵の話は知恵者の誉れと成る。

513. 知恵者は、まだ持っていないものを、知恵を持って探し、手に入れる。彼は手に入れたものを労り深く護り、護られたものを彼は増やす。そして増えたものを、彼は相応しき者に進呈する。

514. 取るに足りない者でも団結すれば目的を達成する。何故なら草ですら、編んで綱が作られれば、それで野生のライオンが捕らえられるからである。

515. 足る事を知り、指示された時に決断し、畏敬の念を持ち、思慮があり、長く思い迷わない者は、知恵者の側で弟子として生活し、自ら知恵者になるであろう。

516. 愚者である支配者、賢くない学識者、何も豊かにならない者は、世の中の人間達を、害虫で一杯のわらしべと同じ様に見ている。

517. 熟慮しない者に証拠を見せることは、空の穀物を脱穀するようなものである。

518. 愚者やその他の不義者に尽力することは、あたかも風に襲われる砂の中に、思い出の印を刻む様なものである。

519. 不義者として死ぬ者は、疑い無く生まれ変わっても不幸であろう。そして多くの恥辱に耐えねばならないであろう。

520. どの様に人が生き、志望し、処置をするかによって人生の収穫は決まる。何故ならアザミが蒔かれて、そこから穀物が生じる事は無いからだ。蒔かれた種が芽を出すのである。

521. ロバは休み無く荷物を運び、仕事中に寒さも熱さも感じず、絶えず満足している。人もロバのように行い、ロバから学ぶが良い。

522. 知恵者は、虫やアリを自分自身の様に重要視する。だから知恵の無い者は、その中で知恵者を手本にして努力すれば、自分自身について認識を得る。

523. 真の命でもなく、知恵の無い事柄をやって見よう等と思う者は、愚者の様に死を考えている者である。愚者は手を広げて岸壁から跳べば、鳥のように跳ぶ事が出来ると信じている。

524. 思慮の無い者は、嘆くに値しない事を嘆き、非理性的な言葉を語る。しかし知恵者は、死んだ者も生きている者も嘆かない。

525. 地上の財産や人間を嘆く事は決して出来ない。ただ愚者だけがそのようにし、生きた財や死財と人間を嘆き。悲しみから新しい悲しみを生み、一つの問題を何倍もの損害と見なしてしまう。

526. 一方その礼拝の捧げものと真理が互いに計られれば、その結果はいつも、真理は全ての礼拝の捧げものより優れ、高く、測り知れない大きな価値があるということになる。

527. 悪人のみが悪人の財産を享受する。それはあたかもアボカドの木が、ただ雌豚、その他の小動物、人間だけに拠って、味覚も無く食されるかのようである。

528. 外見だけで長所を讃める者は、自分自身を恥じねばならない。だから誰かがアボカドの木の実を良い味がすると言う時、誰が嘲笑されずにいられようか。その実は単なる偽の実で、味覚も無く食べられるのである。

529. 子孫、友、親類、人々が与えられ、苦境や悲しみや欠乏にあっても満足し、事欠かない者は、自分自身の中に地上での天国を持つ。

530. ただ愚者だけが、人々の中で人望が大変あると思い込んでいる。だから彼は角を欠いた雄牛に等しい。

531. 人間の最初の義務は、誰にも危害を加えない事であると、知恵者は教える。人間、植物、動物は保護されなければならないのである。

532. 狩人が食料のために獲物を必要とせず、狩をし殺す時、彼は自ずと殺害の罪を負う。彼は気晴らし、喜び、快楽、或いは小動物力禰を荒したという理由で、怒ってそれを殺すからである。

533. 知恵者は、自分自身の子供が不義を行うことに我慢がならない。子供に対する彼の処置は、他人に与えるものと同様である。

534. 人は、知恵者に対するほど多くの信頼を自分自身に寄せない。だから賢者は、知恵者との刺青を求める。

535. 愚者や裏切り者は、良い事柄を批判し敵にまわる。彼は自らを駄目にするので、彼と等しき者から軽蔑される。

536. 生れ付き男と女は司じ権利を持つ。しかし男は生殖する者であり、女は生む者である。即ち男は複数の女と性交出来るが、女はたった一人の男と性交出来る。だから女は真った一人の男を持つのであるが、男は複数の女を持つのである。

537. 生れ付き男と女は同じ権利を持つ。しかし男の力はよりたくましく、その思考は、より一貫している。だから彼は商売をし、家族やあらゆる仕事を導くのである。即ち女や子供達の保護者である。しかしその義務は、万事において平等に分けられている

538. 知恵者は、自らその敵を知ってから初めて戦いの為に身を起す。何故なら知恵者の賢さは、己と他人を知ることにあるからだ。

539. まず第一に、人は自らを知恵で飾ることを心にかけるが良い。それから彼は初めて他人を試すことが出来るであろう。

540. 知恵者は自ら優れた態度を身に付ける。それから彼は、それを弟子や隣人に教える。

541. 義人が、自分自身に従ってならず者が真理を話していると信じて、彼を評価すると、彼はならず者にだまされるであろう。

542. 不義者が隣人を評価すると、彼は自分の中に独自の害悪と恥があるのを認め、その為に腹を立てる。ところが隣人にも彼と同じ権利が有ることを認めない。何故なら彼は早足をしているからである。

543. 迅速に考え、迅速に処置し、迅速に仕事を完成し、迅速に学ばない者は信用出来ない。何故なら時が、彼の人生を飲み込んでしまうからだ。

544. あらゆる苦境時や、死における友情は、真の義人のみに見出され、不義者には見出されない。彼は真の友を打ち砕き、焼き、粉々にし、殴り殺すことも出来よう。彼は決して別人にはなれない。

545. 人の偉大さは、不幸の中で、仕事の中で、戦いの中で、苦しみや悲しみの中で明らかになる。ワインのエキスが飲まれてみて初めて判るように。

546. 即ちエノクは地上の子等に教えた。ヤーウェは語る;予言者であるエノクが、人の子等に教えたのは40才の時であった。即ちそれは、彼の生涯が366才で閉じる以前の326年前であったと。

547. ヤーウェは更に語り、言われた。「エノクは生きたまま此の世から引き上げられた。即ち彼はあの世で、此の世の者であった。

548. しかしエノクは、地上に人間として何度も生まれ変わったが、予言者としての任務を成就しなかった。

549. エノクがもう一度予言者の任務を果たすために生まれ変わる迄に、まことに何千年もの歳月が地上で過ぎた。

550. エノクが予言者として生まれ変わった時、地上の人類の子孫の世代は、その最初の予言者の時代以来、何代も過ぎていた。そして災いと不義は、セムヤーサとその一団の裏切りに拠って生み出された時の毎く、大きく増加していた。」

551. ヤーウェはセムヤーサとその一団、そして地球の進歩の流れを変えてしまった出来事について明らかにした。

552. セムヤーサとその共犯者に関する事件が起き、彼らが死の太陽によって殺されたのは、エノクが最初に地球に誕生する378000 +4l8年前のことで
   あった。

553. その時、創造の法則は死者の霊体ず地に呪縛されることを定めた。それ故それらの霊は、時代の周期を経て何度も再び生まれ変わった。

554. 当時、ヤーウェは、過失者が数回生まれ変わった後、再び彼らを天の息子や娘として受け入れる努力をし、所定の時期に彼らを捕らえさせ、彼らを深遠な宇宙にある故郷に連れ戻した。そこで彼らは何回も生まれ変り、その間に教育を受け、ヤーウェの真の指揮者、監督者となった。

555. いよいよ彼らが新しいヤーウェを持ち、新しい任務のために準備される時がやって来た。ヤーウェは、昔地上に起きた邪悪な出来事を取り除く努力をした。知恵者達は全ての害悪を取り除くために、新たに地上を訪れる助言を得た。

556. ヤーウェの助言により、地上に新たな人種が創られる事になった。その人種は、天の息子と娘と同じでなければならなかった。即ち学識者達はこれを可能にするために、あらゆる手を尽くした。

557. 天の息子や娘達と彼らのヤーウェが何回も新たに生まれ変わった、もう一度地球に旅立ったのは、エノクが生まれる3700年前のことであった。

558. 学識者によって命じられた様に、彼らは60年の間そのまま生きた。

559. こうして学識者の要求した変遷の時は満たされ、天の息子や娘達は、地球の人の子等と共に力を合わせる事が出来た。そして天の息子や娘達のようになるべく、新しい人種が生まれた。

560. ヤーウェと、宇宙の深遠からやって来た知識人の大いなる軍団の指揮者であり、天使であるセムヤーサが、自分自身の意思により、地上の女との間に、あたかも天の息子や娘達であるかの様な、白人種の父であるアダムという子孫を生んだのは、地球上に初めてエノクが生まれる1700年前のことであった。

561. アサセルは、地上の女と交わり、レドンを生んだ。レドンは地上の黒人種の父である。

562. サルタエルは、地上の女と交わり、テトエルを生んだ。テトエルは地上の赤色人種の父である。

563. 異なる人種の子孫達は、互いに交わり、新しい人種と民族を生み出したが、昔から彼らは罪を負い、法則と掟に従わなかったので、ずっと昔の祖先と同じ様に500年間、新たに大いなる災いの中に生きた。

564. そこでヤーウェは次のような助言を与えた。彼の指揮官であるガブリエルによって、地上の女との間に子を作り、その子は直ぐに、ヤーウェとその知恵者から教育を受け、その霊体は彼らの一人、即ち深遠な宇宙の知識人と同じになる様にと言う忠告を与えた。

565. 即ちガブリエルによって子が作られ、地上の女サラナはエノクを生んだ。エノクは地上の人の子等に教え、366年生きた。

566. しかしエノクの教えは、地上の子等の間に何ら大きな実を結ばなかった。そこでエノクは予言者として、即ちヤレドの息子として新時代に再び生まれ変わった。

567. ヤレドは、ウラキバラメルによってつくられた。

568. ウラキバラメルは、マハラレールによってつくられた。

569. マハラレールは、ケナンによってつくられた。

570. ケナンは、アルセアクによってつくられた。

571. アルセアクは、アキベールによってつくられた。

572. アキベールは、エノスによってつくられた。

573. エノスは、セツによってつくられた。

574. セツは、アダムによってつくられた。

575. アダムは、セムヤーサによってつくられた。セムヤーサは、ヤーウェの指揮官の一人であり、ヤーウェの助言により地上の女との間に子を作った。

576. 天使と地上の女達との間に出来た子供達は、何百年も生きた。そして彼らは、地上の子等より何倍も長く生きた。  

577. 即ちエノクは、新時代に生まれメツウサラを作った。そしてもう一度彼は予言者と成った。

578. エノクは独自の力で、ヤーウェとその教師と知恵者から学んだ。彼は幻を見、大いなる知恵に満たされた。

579. エノクは、学んだことや彼の見た幻を書き留めた。

580. 即ちエノクは次のように記した。「私エノクは幻を見てとり、私は私自身と、ヤーウェと、その援助者や、知恵者より学んだ。

581. 私エノクは、即ち私が地上の人の子等の間におらず、ヤーウェとその見張り人達の世界にいる時も、生涯、創造を讃えた。

582. ヤーウェは私を呼び、こう語った:「エノク、義の書記者よ。地上の人々の所に行き、彼らに真理の教えを告知せよ。そしてこれを、今日の地上の人の子等に判る言葉で行いなさい。

583. 地上の子等の所に行き、彼らが皆、創造による被造物であり、すべての事柄において、創造の法則と掟に順じていると言う真理を、彼らに告知せよ。

584. さあ、行くが良い。」ヤーウェはこう私に言った。「エノク、そして地上の人の子等は、地上の女や男達と遠い昔、腐敗をもたらした天の息子や娘達の子孫である事を知らせるが良い。

585. 遠い昔、貴方が言葉を聖典により告知したように、昔の出来事を知らせるが良い。

586. そして人の子等が、あらゆる警告に反し、新たに、全ての邪な悪徳に陥っているという真理を知らせよ。」

587. ヤーウェは語った。「エノク、地上の人の子等は何と言う邪悪な悪事を行っていることだろう。彼らは地上に何の平和も持たないであろう。

588. 地上の人々はその悪事ゆえに、何の謝罪も見出さないであろう。即ち彼らは、その子供等と喜ぶことが許されないであろう。

589. 彼らは愛する人が殺害されるのを見、子供が破滅していくのを嘆息するであろう。

590. そして彼らは恩寵を請い求めるが何の慈愛も平和も彼らには与えられないであろう。何故なら彼らは、不安と苦境の中で哀願し請うが、不義者であるからだ。」

591. ヤーウェは以上のことを私に語った。そして見張り人達は、私が彼らの所に滞在していた時に、彼らの委任で、私が貴方がたに教えるようにと、まだ他の沢山のことを私に教え、語ってくれた。

592. 即ち私エノクは、貴方がた地球人の所にやって来て、貴方がたに次のことを述べるのである。貴方がたは何の平和も持たないであろう。何故なら貴方がたは、自分自身の責任により、重大な裁きを、貴方がた自身の上にもたらしたからである。

593. 貴方がたは、自ずとこの裁きを自らの上にもたらしたのである。だから貴方がたは、自分達の悪事や暴力行為の故に、何の緩和もとりなしも慈愛も受けられないよう、自分自身によって束縛されているのである。

594. 貴方がたは暴力行為を学んだ。又あらゆる冒涜と不義の働きを、殺人に至るまで学んだ。

595. 貴方がたは恐れと驚愕の中に有り、何が貴方がたを襲うかを知っているにも拘らず、貴方がたは、こうして更に生き続ける。

596. だから、貴方がたを助ける様にと言うとり成しの文書を書き、貴方がたの為に、それをヤーウェに持っていってくれと、私に頼んではいけない。何故なら誠に私には、ヤーウェに嘆願や哀願の書を持っていくことが出来るような、その様な力は無いからである。

597. 私が憩い、微睡みの中で見た、私が見て取った幻の事を聞くが良い。

598. 幻は、地球の人間の堕落していく様子、その悪事と災い、悪徳とあらゆる事柄、即ち思考、行動、志望、栄養における全ての邪悪を、私に示してくれた。

599. 私は地球人が、彼らに適した食物可能なものだけを食べる様にという掟を破っているのを見て取った。何故なら幻が、如何にして人間が小動物の食物を奪うかを私に示してくれたからだ。

600. まことに創造の法則と掟により、そしてその秩序により、人の子は独自の食物を、小動物もそれぞれ独自の食物を、それぞれ種に応じて持つようにとされている。

601. 即ち人間には、その健康が害されないように、食物として生のままであれ、料理されたものであれ、食べられる全てが与えられている。その味は口に合うものであって、味を良くする為に薬味で変化させて、食物を口に合わせると言うものであってはならない。

602. 食べられる全ては人間のためであり、それら全ては食物として人間に与えられている。そして食物は生であれ、料理されたものであれ、味覚を良くする為の薬味を入れなくても、心配の無いものである必要がある。

603. 食物があまり苦過ぎるか、味がしないかして口に合わなければ。それは人間の体に合わないものである。又非常にひりひり焼ける様であったり、腐っている食物も同様である。

604. 人間に取って、食用不可能なものは動物の食料である。それは苦かったり、味が無かったり、ひりひりと焼けるようであったり、腐っていたり、その他である。それは偽果、偽葉、偽茎、偽草から成っている。食物として人間に与えられているものは、本物の果実、葉、茎、草木である。

605. 従って食物と、全て食用可能なものが、動物に与えられている様に、食物と、全て食用可能なものは人間にも与えられている。従って全て食用可能なものは、動物にとって食用可能なものと、人間に取って食用可能なものと分離されている。

606. 人間に取って食用可能なものは、その効力において様々である。動物の食用可能なものに取っても同じ事が言える。しかしながら、人間と動物の間には相違が有り、人間は薬味を加えて味を変えたり味覚に合わせたりして、動物の食用可能なものを食べられる様に出来たとしても、小動物の食料を奪ってはならず、自分達の食用可能なものだけを食べるようにするべきである。

607. 又人間は、彼独自の食用可能なものに誤った薬味を加えてはならず、果物も草、魚、肉と混合されてはならず、甘いものを受け付けない食用可能物に、甘いものが混ぜ合わされてもいけない。

608. 人間は飲食においても、ほどほどにし、むさぼり食ったり、暴飲暴食をしてはならない。それをすることは、食用可能なものを混ぜ合わせて品質を落すことに等しい。両者は無理解、無気力、意志薄弱、低能に所属する。何故なら両者は、病気や、肉体、思考、感情における害悪をもたらすからである。又動物に食用可能なものを、人間が奪い、食べる事も同様である。それ故に多くの人間が、多様な病気や、浅く鈍い思考や、あらゆる種類の虚弱に悩んでいるのである。

609. 人間は法則や掟に反し創造の秩序に反すれば、自ら刑罰を生み出す。ヤーウェの知恵有る思考と力によって、私が微睡みながら幻の中で見て取ったこうした事も、その結果である。

610. こうして私は、この幻の中で他の多くの事柄を見て取った。一方は他方より喜びが少なかった。何故なら全ては、地上の人達の苦しみで刻まれていたからである。その苦しみは、人間自らの無理解、悪徳、不義によって生まれたものである。

611. ここで順番に書かれることは、私が幻の中で見たヤーウェによる義の言巣であり、地上の人間への訓戒である。

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007 OM-31 その7


612. 今から私が、書を持ちて、肉なる舌を持ちて、創造が全ての人の口の中に与えた息を持ちて説明することを、私は眠りの中に見た。そうして人間が読む事が出来、悟性を持って理解できる為である。

613. 人間はどのように創造が彼を創り、彼に悟性を授けたかを理解するべきである。即ち彼は、見識ある言葉を理解するが良い。

614. 創造は、この私をも創り給われた。ヤーウェにより、私の力に拠り、私には、貴方がた地球人の間で予言者として存在し、貴方がたを教え、貴方がたに助言を与え、即ち貴方がたを叱責する権利が授けられている。

615. 貴方がたは私をよく知っている。そして私は貴方がたを知っている。私は貴方がたの恩寵を求める嘆願を知っている。しかし私は貴方がたに言う。つまり私の見た幻の中では、貴方がたの嘆願は永遠に至る迄、ヤーウェに認められない様に思われた事を。何故なら、恩寵を求める貴方がたの願いを成就させてくれるのは、ヤーウェの力ではないからである。それらすべては、貴方がたの力の中にのみあるからだ。

616. だから貴方がたが行い生きる様に、貴方がたの人生は成るであろう。即ち貴方がたの恩寵を求める願いも、貴方がたの力の中に有り、貴方がたの決定の中にあるのだ。貴方がたが改心し義人になれば、貴方がたは自分で、恩寵を求める貴方がたの願いを成就させ、あらゆる害悪から解放されるからである。

617. 全ての事柄に於て貴方がたを支配する者は、含方がた自身なのである。だから貴方がたは、自分で自分を助けなければならないのである。しかし貴方がたはそうしない。貴方がたは、神と呼ばれるあらゆる人間を信じているからだ。そして彼が、世界、全ての生命、宇宙、惑星を創ったかの様に、錯覚させている。しかし決して彼はそのようなことをしなかった。そのような働きは、ただ創造のみに可能であるからだ。

618. だから貴方がたが、神が至高者であると誤って信じていれば、貴方がたは倒錯した考えと信仰をもっているのである。まことに創造のみが至高者である事を、真実に考え知るが良い。そうすれば貴方がたは、貴方がたを生かし、貴方がたの内に生きている創造の霊について知るであろう。それ故貴方がたは、自らを助けるのであれば、創造が貴方がたを助けてくれるだろう。

619. しかし貴方がたの多くは学ぶ気が無い。だから貴方がたは、ただ苦労して永遠の存在へと登っていくのである。その為に地上では、既に次の格言が出来ている。貴方がたは世界が続く限り、貴方がたの害悪に束縛されていると。

620. しかし世の終わりが来る前に、貴方がたは愛する息子や娘達が破滅するのを見なければならないであろう。貴方がたは、自分達の醜行や、不義の故に、彼らを所有する事が許されないのではなく、貴方がた自身の責任により、戦争により、疫病により、強奪により、あらゆる害悪により、貴方がたは彼らを殺し、絶滅させるのである。

621. それらの為にする貴方がたの恩寵の願いは、貴方がたの誤った司祭、神々.偶像には聞き入れられないであろう。即ちそれらは、政府、学識者、軍団の指揮者に認められない。何故なら貴方がたは、それらの害悪が、貴方がたの息子や娘、そして貴方自身をも虐殺するよう、自らそうした事柄を培い、選んだからである。

622. 破滅が最も遠い将来に至るまで何度も何度もやって来る時、貴方がたは青二才のように泣き、哀願し、メソメソするだろう。貴方がたが、創造の法則と掟に従って人生を歩むのでなければ、又別の時代の未来に、他の予言者によってもたらされる教えに関しても同じことが言えるであろう。

623. 次のような幻が私に現れた:雲が私を招き、私は霧に包まれた。星や稲光が私に迫り、私を駆り立てた。風は私に翼を与え、私を運び去った。

624. 風は私を高く舞い上げ、私は城壁の近くまで連れてこられた。その城壁は輝く沢山の水晶から出来、その周りには火がふいていた。私はそれを恐れた。

625. 幻の中で私は、吹き上がる火の中に入り、ある建物に近づいた。それは輝きに満ちた水晶で出来ていた。

626. 建物の壁は床の様に平らであり、それも床と同じ水晶で出来ていた。

627. 天井は星や稲光の軌道に等しく、その間には燃える彗星が漂っていた。その背後の天蓋は、最も青く澄んだ大海であった。

628. 揺らぐ炎が建物の壁の周りに流れていた。即ち門は燃える炎であった。

629. それでも私は建物の中に入っていった。そこは熱い炎のようであったが、氷のように冷たく、その中には楽しむべきものは何も無く、一つの生命体もいなかった。

630. 恐怖が私を包み、驚きが私を捕えた。私は衝撃を受け震え、打撃を受けたが、まもなく私は別の幻を見た。

631. 私は幻の中で又別の建物を見た。それは最初の建物より大きかった。

632. 二番目の建物の門は、全て私の前に開かれていた。それはただ揺らぐ炎から成っていた。

633. この建物の広さ、華麗さ、壮麗さは感極まり無く、以前私はそれに等しきものを一度も見たことが無かった。それ故その全面積、華麗さ壮麗さは、筆舌に尽くしがたい程である。

634. 建物の床は炎の中に起伏し、天井は炎を上げていた。しかし建物の向うには稲光と星の軌道があった。

635. そして私が仰ぎ見ると、家の中には崇高な王座があった。それは輪のように見えた。その周りは全て、照らす太陽、輝く星、燃える彗星のようであった。

636. 崇高な王座の下には、炎々と燃える炎の川が流れ出ている。それはあまりにも目をくらませるもので、すべてをほんの一瞬の間しか見詰めることが出来なかった。

637. 王座の上に私は座した。それは偉大な愛と壮麗さであった。それはある形で包まれていず、無時間であった。

638. それは栄光に包まれた霊であった。それは原始の永遠と、永遠の存在へと輝いていた。

639. その衣は太陽の光よりも強く輝き、白い霞よりも白かった。

640. どんな生命体もここに足を踏み入れることは出来なかった。又死すべき者も、壮麗と威厳の御姿と御顔を見る事は出来なかった。だから私自身も幻の中でこれを見なかったら、その光景は永遠に隠されたままであったろう。

641. 人間もそこに足を踏み入れることは出来ず、天の息子や娘達も、又ヤーウェにも出来なかった。ヤーウェにも、あらゆる秘密の中の秘密が隠されていた。

642. 即ちこの秘密の壮麗さは、私だけに啓示されたのであった。それは死すべき者の為に、永遠に存在し続けるものとなるであろう。

643. 不滅のものだけがそこに入っていくことが出来た。それは死すべき肉体から解放されたもので、霊と創造そのものの壮麗さのごとく、キラキラと揺れる炎の純粋体であった。

644. しかし不滅なるものが創造の前に歩み寄れるのは、たったの30エレ(1エレ=55~88cm)迄であり、壮麗さの周りに存在する全てのもののうち、誰もそれ以上近づくことは出来なかった。

645. 創造の壮麗さの周りには。何億何千万という燃える炎があり、聖人がおり、時代の知恵者がいた。それらはペタレと呼ばれた。

646. 創造の壮麗さは、聖人や知恵者の助言を必要としなかった。彼らはペタレと言い、知恵者であり、聖人であり、時代の助言者であった。

647. ペタレは、創造の壮麗さの近くにいた。そして夜も昼もそこを離れず、決してそこから去ることは無かった。

648. 私は全てを見てとることが出来るように、そこに至る迄私の顔にはベールがかかっていた。それでも私は震えが止まらなかった。何故なら私は、壮麗さを全て体験することが出来ず、私が見ていることが、何か、理解出来なかったからだ。

649. 創造の壮麗さが私を呼んだ。私はその呼び声を私の内なる所に聞いたのであり、その音を耳で聞いたのではなかった。

650. 壮麗さは私に語った。「エノク、私の聖なる言葉を聞きなさい。そしてもっと私の近くに来なさい。」と。

651. 創造の壮麗さは、私を立たせ、その近くに私を呼び寄せた。一方私は顔を伏せた。何故なら畏敬の念が私の内なるところからたぎり、きらめく崇高な光が私の目をくらませたからであった。

652. 私は内なるところから壮麗な言葉がこう語るのを聞いた。「エノク、恐れてはならない。何故なら貴方は義の人であり、義の書記者であり、告知者であるからだ。」

653. 即ち壮麗さは更に語り、私に次の委託をした。私が壮麗さの意志と私の意志により、貴方がた人の子等に送られ、貴方がたが、告知者であり予言者である私エノクから、教示を受けるようにと。

654. 「聞くが良い」創造の壮麗さは、私にこう語ったからだ。「天の息子や娘達、そして地上の人間達の所に行きなさい。そして彼らに教えなさい。自分自身の為に、自らに願い、神々や偶像に祈ったり、願いを求めてはならない。又自分自身とその霊、又創造であり、存在霊である私の他に、対象物、司祭、その他の人間に祈り、嘆願してはならない。

655. そして彼らに尋ねなさい。」私は壮麗さの言葉を聞いた。「地球人や天の息子や息子達に尋ねなさい。“何故貴方がたは、高く聖なる永遠の義の道を捨てたのか。何故貴方がたは、男や女と姦淫を行っているのか。何故貴方がたは法則を破り、掟を破り、秩序を破り、あらゆる悪徳、恥、害悪を行い、自分自身を汚してしまったのか” と。

656. 何故貴方がたは、すべての害悪を背負い込んでしまったのか。貴方がたは霊的にも崇高であり、長寿であった。その年齢は千才より長かつた。それなのに貴方がたはすべての害悪によりその長寿を汚し、破壊してしまった。そして貴方がたは一生涯に40才にも達しないのである。

657. 即ち貴方がたの寿命は何千才にもなるのに対し、将来非常に短いものになろう。そしてほんの僅かの者だけが、二世代を生き残るであろう。   

658. しかし地球人類の一部が変化し、真理に向かう時に、変転が起るだろう。それは新時代の予言者の時代になるだろう。そして間も無く義の生活により寿命は再び伸びるであろう。

659. 即ち、義人が減っていくのではなく、増加する時、寿命は更に増加するであろう。

660. しかし貴方がたの寿命は、二世代の中間にも達しない。何故なら不義、全ての悪徳、害悪、醜行により、貴方がたは真理を見捨て、自分の寿命を全体のほんの僅かな一部分までに縮めてしまったからだ。

661. 貴方がたは隣人の血を欲し、彼らを殺した。そして貴方がたは隣人の肉を欲し、彼らと姦淫を行い、子を生んだ。子供達は貴方がたから、短い寿命と、無常を遺伝された。即ち子供達は、その子孫にも同じものを遺伝させたのである。

662. 即ち、貴方がたは、あらゆる不義、愚鈍さ、低能さ、害悪、損害を生み、それらをひどく背負い込んで生きてきた。貴方がたは絶えず再びそれらに遭遇するのである。何故なら貴方がたの邪悪な思考は、皆貴方がたと隣人の他の全ての邪悪な思考と連なりあい、暴力的な威力になるからである。それは不変に生き続け、昼も夜も絶えず貴方がたを害するのである。

663. 邪悪な思考の力は、巨大な見えない天蓋の様に、あたりの世界と貴方がたの文化都市の間に漂っているのである。そこから貴方がたはどんな瞬間にも、この邪悪な暴威的な力に見舞われるのである。

664. 貴方がたは、この自ら生み出した邪悪な力を、誤った信仰に従って悪霊だとかデーモンだとか呼んでいる。

665. 即ち貴方がたは、貴方がたの独自の邪悪な思考を、悪霊だとか邪悪なデーモンと呼んでいるが、それは貴方がたにとって、新しい邪悪な思考と行いの基石なのである。

666. まことに貴方がた人間の思考の住家は、貴方がた自身の中にある。即ち思考の住家は、辺りの世界を巡る目に見えない天蓋の中に有り、そこには至る所に思考の住家がある。そこは貴方がたの住んでいる所であり、貴方がたが、真実か又は偽りの祈りを頻繁に捧げている所である。

667. 一つの場所には良い思考か、又は悪い思考のどちらかが住んでいる。だから人が良い思考を持った所にやってくれば、彼は良い力を得る。しかし人が悪い思考を持った所に来れば、彼は邪悪な力に襲われる。貴方がたが祈り、神々や偶像に呼び掛けている全ての文化都市に於てもそうである。だからそのような場所で、貴方がたは悪意と酷い混乱に襲われるのである。そこから貴方がたは救われることは出来ない。

668. 思考とは、威力的な見えない力に等しく、それは何千年も生き、倉庫の穀物のように積まれている。即ち人がその倉庫の穀物を取り出して食生活をしていくように、人は蓄えられた思考の力から、絶えず善か悪の新しい力を取り出し、それで彼の善又は悪の独自の力は養われるのである。

669. 邪悪な思考の力に落ちる者は、皆、更に堕落し続けるであろう。何故なら彼らは真理を否定し、暴力行為をし、地上に崩壊をもたらし、災いを引き起こす者であるからだ。彼らはその代わり食べるものに不足するだろう。そして咽喉を渇力すことになるだろう。

670. 彼らの苦しみは大きくなるだろう。そして彼らは何の慈愛も見出さない。何故なら彼らは、自分達独自の不義により、襲われ、罰せられるからである。

671. 誠に貴方がた神殿と呼び、又は絶えず貴方がたが礼拝を執り行う所、至る所に蓄えられている邪悪な力は、非常に大きいのである。

672. これらの町で、ある多様な死が貴方がたを待ち構えている。それらの町がどこであろうと。貴方がたの思考、志望、処置、そして、貴方がたの肉はそこで腐っていくであろう。

673. 即ち貴方がたはこの場所で、至る所至る場所で積まれた、全ての邪悪な力に拠り腐敗して行き、義人になる前に、大いなる審判の日を迎えるのである。

674. 貴方が不義者として死ぬと、貴方がたの肉は朽ちるが。貴方がたの邪悪な本質は、地上を巡る目に見えない天蓋の中に、暴威的な力として蓄積されるのである。

675. 貴方がたが再び生まれ変わり、又新しい生命を持って存在する時、貴方がたは古き邪悪な本質に新たに襲われるのである。その本質は、地上を巡る目に見えない天蓋の中で無限に生き続けている。そしてその天蓋は邪悪な毒矢の様に、貴方がたに的中するのだ。

676. 毒矢は益々貴方がたを毒するが、貴方がたは自らの中にある毒を取り除こうとしない。だから貴方がたは更に堕落し続け、何度生まれ変わっても貴方がたは、独自の邪悪な毒矢に射られるよう定められているのだ。

677. しかし貴方がたが義人に変身し悪に対して戦い始めれば、貴方がたは何千年も蓄えられて地上を巡る目に見えない天蓋から、ぱらぱらと貴方がたの上に降り掛かってくる自分自身の毒矢に対する鎧が造られるのである。即ち毒矢はもはや完全な力で貴方がたを射ることは無く、ゆっくりと悪の力を失うのである。

678. 貴方がたが悪に対して不動であり変心して、貴方がた独自の、又隣人ものでもある悪に対抗して身を守れば、貴方がたの鎧は成長するのである。即ち貴方がたはその中に強力な保護を得るのである。

679. まことに貴方がた地球人は、昔、天の息子や娘によって堕落した。つまり当時は、創造の法則や掟は隠された事柄であり、まだ貴方がたに啓示されていなかった。それにも拘らず貴方がたはあらゆる害悪と不義に責任があった。貴方がたはそうして自らを負債者にしてしまったのだ。

680. 小さな卑しい秘密が、責められるべき天の息子や娘達によって貴方がたに漏らされた。貴方がたは快く彼らを受け入れ、自分のものにしてしまった。貴方がたは臆面も無く、抵抗も無く、ただあまりにも安直すぎたのだった。

681. 貴方がたは卑しい秘密を、考え無しに自分のものにし、それを子供達に教えた。それ以来貴方がたは地上で多くの悪意を生じさせ、何の平和も何の愛も持たなかった。又真理も知識も知恵も持たなかった。女達、男達、子供達の間でもそのようであった。

682. 即ち創造の壮麗さは、私が貴方がた地球人に、以上のことを教示するようにと、私に語ったのだった。それから壮麗が私を別な場所へと行かせた。そこには再び揺らぐ炎のような姿があった。その姿はいつであれ、思考によって望む時に、人間のように見えた。

683. この揺らぐ炎のような姿は、ペタレの姿とその外観を一つにしていたが、その炎の変異性には大きな相違があった。ただそれらの特色は、アラハト・アテルサタと呼ばれている事だった。

684. 燃える炎の姿をしたアラハト・アテルサタは、私をある山の頂の暴風地点に導いた。その頂は天に達していた。

685. 山の頂上で、燃える炎の姿をしたアラハト・アテルサタは、私の所に歩み寄り、人間に変化した。そしてこう語った。「見よ、私はウリィエルである。アラハト・アテルサタの一人である。

686. ペタレの様に私達は共同体で、それぞれが私達自身なのです。私達は我々であり、いずれにせよ私達より高き所に居られるペタレもそうです。

687. まことにエノク、貴方は私達の所に居ることを驚いていますが、不思議に思う必要の無いことが、直ぐに判るでしょう。

688. 私はアラハト・アテルサタである我々霊体から生まれたウリィエルです。ペタレと同じ私達は、堅い肉体を持った存在を終え、人間には未知の世界である存在の中に生きでいます。

689. しかし人間達は、私達の世界よりずっと低い世界に住んでいます。私達の世界では、存在の時間は永遠なる大海に存立しています。

690. 私達の存在は、創造における、そして創造に関する法則と掟に従うことによって知識と成り、力と愛、即ち力と能力になったのです。

691. 無限の持続の中で、霊は肉体から解放され、生まれ変わっても消滅するように過去のものとなりました。

692. 私達の生命は創造に近いものとなり、力と能力に満ちています。追い求めた完ぺきな理想境地にあります。

693.私達アテルサタは時の観照者なのです。私達はあらゆる事柄の真理を、その原因と結果について認識しています。

694.人間世界と私達の世界の間には、大いなる長時間の境界が有ります。それは何兆何億年の単位で測られるのです。そうして霊的世界の仕切りを形成しているのです。

695. 私達は非物質的であり、無時間における意志疎通の方法を知っているのです。それが私達に過去と未来を現在にするのです。

696. 貴方には次のことも言えるでしょう。貴方が見、聞いているものは、誰にも与えられていないと。ヤーウェにも与えられていないことである。貴方がそれぞれの時代に最高の監視人である予言者として息をする時、全ての時代に於て貴方だけに知らされるのであると。

697. 即ち貴方は、理解に於て未知な事柄を見たり、聞いたりするのです。貴方はその秘密を、地上に7000年が過ぎた遠い将来に初めて解決するのです。

698. 貴方が見たこと聞いたことの秘密は、貴方にとって7000年間、秘密のままであり続けるのです。だから私達が貴方に見せ、聞かせた印の秘密を、人々が理解するには、まだずっと長い間かかり、人々にとっては秘密が続くのです。

699. だからエノク、貴方が今、私達の印を完全に理解しなくても失望してはなりません。貴方が一部を理解し、次に生まれ変わり続けることによって、益々多く理解出来るのであることを喜びなさい。

700. だから、私達、時の観照者が貴方に告知し、啓示することをじっと聞き、見なさい。」

701. 即ち燃える炎であり。アラハト・アテルサタの一人ウリィエルは、私が過去と未来の秘密を見、聞けるように語った。

702. 私はキラキラ光る明るい場所を見た。その場所の端で私は雷鳴を聞いた。その向うの天蓋の深淵に、矢と威力的な燃える弓の入った矢筒を見た。それは日の出と日没を導いていた。

703. 同じ深淵さの中に、暴威的な火の刃が漂っていた。そして地上の全ての稲妻が至る所に光っていた。

704. 間も無く燃える炎であるウリィエルは、私を連れ去り、命の水際に、連れて行った。そして西の炎の所まで連れて行った。その炎は太陽が沈む度に天で燃えた。

705. そして私は、燃える炎ウリィエルと一緒に火の河にやってきた。その火は水の様に流動していた。それは西の方に向かって流れ大海に注いでいた。そして私は一切が海に注いで行った最初の河と同じような、他の全ての大河を見たのだった。

706. 間も無く私はウリィエルと、闇と光が同時に存在する世界に達した。そこは死者が死の中にさまよい。かなりの時を経て再び生まれ変わってそこから帰っていく世界であった。

707. ウリィエルは私を、死者がかなりの時間死の中をさまよっている世界の中へと連れて行った。すると突然時が消えた。そして無時間が永遠に支配していたのだった。

708. 私の肉体、人間である全てが私から離れていった。即ち私の感情は、愛と平安と平和だけを感じていた。


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008 OM-31 その8


709. 私はエノクであるが、エノクではないことが私には判った。何故なら私はエノクであったが、それでもやはりこの世界でかなりの時間さまよう全ての死者と一体であったからだ。

710. この世界は、闇と光の中に同時にある地球のようだった。しかし地球とは異なった別の世界であった。何故なら地球は、粗削りの姿で生まれ変わった人々の生活がある世界であったからだ。生まれ変わった人々は、死者のきまよう世界を見ない。即ちそこは死んでさまよう人々の世界であった。そして彼らもそこで粗野な地球世界を見なかった。

711. 一つの世界が、もう一つ別の世界であった。しかも両世界は二つの別な世界であり、互いに異なっていた。即ち時間に刻まれる粗野な世界と、死んでさ迷う人々のいる無時間の持続する世界であった。

712. ウリィエルは死んでさ迷う人々の世界から再び私を連れ出した。私は再び私の肉体と、人間として私に備わっている全てを感じ取った;邪悪な悲痛と恐れが私を襲った。この純世界を去らねばならないために、私の胸は痛んだのだった。

713. 悲痛は私の内に留まり、もはや決して私から離れなかった。何故なら、あの世で私を満たしてくれた喜び、平安、平和の感情が、私の内から消えていかなかったからだ。

714. ウリィエルは更に私を連れて行った。そして私は冬の黒々とした雲の山と、全く深い水が注いでいる場所を見た。

715. そして私はあらゆる地球の河の合流点と、宇宙のあらゆる深淵の合流点を見た。

716. アラハト・アテルサタの一人である炎の人ウリィエルは、私にあらゆる風の入れ物を見せてくれた。そして私は、如何に創造が知恵を働かせて、全てを飾り付けるのかを見た。

717. そして私は、地球と天空を支えている宇宙の基礎、地球の礎石、そして人の目に見えない7つの風を見た。

718. 又私は別な7つの風が、どのように天の高見と深淵に広がりどのように風を吹かせ、天と地と太陽の間を漂い、宇宙の7つの柱が如何なるものであるかを見たのだった。 

719. 即ち私は、風が天を回転させ、太陽の自転を引き起こし、惑星に太陽の周りを回転させ、星の運行をもたらしているのを見た。

720. 間も無く私には、風と見えたものは風でない事が判った。何故なら風は、いずれも或る一定の法則から生まれてくる力であったからだ。即ち、投てき機による無限の彼方に飛ぶ石の運動に等しい力であった。

721. またその力は、いわば投てき機によって高く投げ出された石が皆地球に跳ね返ってくる地球の力でもあった。

722. しかし、私は本当の風を見た。それは感じることができ、塵を動かし、空中に渦巻く風である。私は地上で雲を運んだり、浮かべたりしていも風のごとくを見たのだった。

723. 私は地の果てに至り、しかしその果ては終わりでは無かった。何故なら、その果ては更に更にと続き、殆ど急に近い円形をなしていたからだ。私が地球の要塞の外に立った時、天の光の中に一つの世界が漂っていた。それはいわば、空中に漂う気球のようだった。

724. ウリィエルは私と一緒に、今まで私がまだ一度も観たことのない未知の世界へと押し入った。

725. 私たちは南の方にも行った。そこは夜も昼も大いなる天の炎が燃えていた。そしてそこには、最も高価な宝石類でできた7つの山があった。その内、3つは東の方に、あとの3つは南に、残りの1つは中央に位置していた。

726. 東に向かって位置している山は、それぞれ異なっており、その内の1つは、色とりどりの宝石から成り、1つは真珠から、あとの1つは水晶から成っていた。

727. 南に向かっている山は別種であった。何故なら1つは赤い石から成り、真中の山は天まで達し、雪花石こうで出来、3番目の山も天にまで達し、サファイアから出来ていたからだ。

728. 全ての山の中には揺らぐ炎が有り、それで山は照らされ、光の中に遊動していた。

729. 山からずっと離れ、広大な土地の向う側には全ての水が集合する場所があった。そこには天の火の柱を持った深い地の裂け目があった。

730. 火の間から天の火の柱が落ちていたのだ。それは上方にも下方にも属していなかった。

731. 裂け目の上には何の要塞も無い。即ち上方にある天空も、下方にある地の底も無い場所であった。即ちその場所には水も無く、鳥もおらず、全ては荒涼として虚空であった。何故ならそこは虚しい砂漠であったからだ。

732. そこで私が見たものは驚くべき事だった。何故ならいわば大きな燃える山とも言え、目に見える様になった悪霊とも言える7つの星があり、それが私に恩寵と執り成しを懸命に求めていたからだ。

733. ウリィエルは私に語った:「この場所は天と地の終わる場所です。そしてこの場所は、天の星やあらゆる天の知恵者に学びの場所として使われるのです。

734. この場所で、いわば創造の全ての法則と掟、及び七元的秩序が全ての初源から啓示されるのです。

735. ここには、あらゆる人々の全ての思考と感情がやってきます。善においても悪においても。そしてこの場所で、それらは無限へと高められるのです。善ならばそうですが、悪であるならば、それは消えて無になってしまいます。だから終わりの日には、ただ永遠に続く平和と愛だけが満ちるのです。

736. 最後の日とは、あらゆる裁きの中の裁きが訪れる日であり。その時、まだ不義の中をさ迷っている全ての生命は、自らを消滅へと運び、永遠に消えていってしまいます。

737. しかし最後の日まで義の中に生きた生命は、創造そのものの中に入っていき、創造と一体化し、永遠に生き続けるのです。」

738. そしてまことに私エノクだけが、この全ての真理の光景を見、それに加えて教訓を受けたのだった。

739. 私エノクは、全ての初めと全ての終わりを見た。私の他に、私の見たことを見た者は誰もいなかった。

740. ウリィエルはアラハト・アテルサタの7つの燃える力が、全員のアラハト・アテルサタと共同して、宇宙にある全てを見張っている事、7つの力は告知者であり、教訓者であり、彼らの世界より低いあらゆる世界の、真の知恵者との連携者である事を私に教えてくれた。

741. これらの監視人の一人はウリィエルである。彼はあらゆる雷と全ての地震、雷鳴と天候と四季、そして万物に存在する全ての力を見張る者である。

742. 第二の監視人は、ルファエルである。彼は、人間、動物、あらゆる種類の植物、天体、そして地を這い空を飛ぶあらゆる生物の、全ての霊体を見張る者である。

743. 三番目の監視人はラグエルである。彼は創造の法則と掟及び七元的秩序に反して生きている全てを見張る者である。

744. 四番目の見張り人はミィケルである。彼は創造の法則と掟及び七元的秩序に従って生きている全てのものを見張る者である。

745. 五番目の監視人はサラケルである。彼は人間と動物、そして地を這い、空を飛ぶ全ての霊体の教化と進歩を見張る者である。

746. 六番目の監視人はガブレルである。彼は浅き世界も深き世界も全ての世界を見張っている。そしてあらゆる異なる世界の、全ての境界を見張る者である。

747. 七番目の監視人はケルペルである。彼は人間、動物、天体、植物、力、そして宇宙に生きて地を這い、空を飛ぶ、全ての与えられている生命の残余をすべて見張る者である。

748. アラハト・アテルサタの我々体は、7つの見張りの全ての任務を共同して見張っているのである。即ちそれらは、万象において一体となっている。

749. ウリィエルは何も起らない別の場所に私を導いた。そして私はそこに何か恐ろしいものを見たのだった。

750. そこには堅い大地というものは無かった。又青い空も無かった。すべてが空虚で荒涼としていて、崇高とも言え、恐ろしかった。

751. 崇高な空間の中には、揺らぐ様なエネルギーを持つ7つの巨大な球が結びあわさって漂っていた。それは大きな山のようであり、黒い炎のように揺らいでいた。

752. 今度は私がウリィエルに尋ねた。「黒い燃える炎のエネルギーから生まれたこの球は、どんな悪意のだめに束縛されているのだろうか。誰のためにそれらは、この崇高で恐ろしい空間に排斥されているのか?」と。

753. すると私の案内人である燃える炎の人ウリィエルは語った。「誰の為に貴方は私についてこれらの事柄を探求しているのですか。誰の為に貴方は照合し、尋ね、夢中になっているのですか?

754. お聞きなさい。つまりあらゆる人間の7つの異なる悪の力なのです。それらは法則と掟に反し、創造の七つの秩序に反したのです。それらは自らのエネルギーの中で堕落している力なのです。

755. これらの力は、宇宙の中に永遠に威力を増して蓄積されたものです。罪深い人間も、その間に義人になったり、義人に変化していきます。

756. しかし思考や感覚、志望、処置(行動)において生じた邪悪な力は変化せず、危険に満ちています。何故ならそれらはどんな生命をも攻撃し、それを虜にしてしまうからです。

757. 即ち堕落したこれらの邪悪な力は、この場所のエネルギーに捕われずにはいられなくなり、ここで最後の日まで縛られるのです。その日には、それらは天と地の果てで、あらゆる裁きの中の最後の裁きを受け、そこで抹殺されるのです。

758. だから堕落した邪悪は、ここで最後の日まで捕えられますが、生命には危険は有りません。」

759. そこから私と燃える炎の人アラハト・アテルサタの一人であるウリイエルは、広い宇宙の外へと舞い出た。

760. 彼は私を、崇高な場所にある深い空間に連れて行った。そこには恐ろしいものは何も無かった。そこは広くて光る炎のようであった。炎は燃え上がって揺れ、炎の舌のような切り口があった。

761. そこは崇高な宇宙空間によってのみ仕切られており、無限の大海に浮か島のように、その中に浮いていた。

762. そして宇宙の深淵から、小さな火の柱が辺りに火を吐いていた。そしてキラキラと光る炎の場所に落ちていった。

763. 私にはその場所の広がりと大きさを見つけることが出来なかった。その発生地を把握することが出来なかったのだ。

764. その時私はウリィエルに語った。「これは何という崇高なところであろう。見た目に何という喜びと畏敬を与えてくれることか。」

765. するとウリィエルは答えて言った:「エノク、貴方はこの崇高な場所で何の恐れも驚きも感じていません。顔に喜びが湛えられています。

766. 広い宇宙には、全て同じ種類をした良いエネルギーを出す他の多くの地点が有りますが、ここはその場所なのです。

767. この場所は無限な力の一区画であり、その力とは知識、知恵、真理、愛、一貫性、又善である全てです。

768. この地点には、あらゆる生命体の真理である全ての知識、全ての知恵、愛、首尾一貫性が集合し蓄積されています。

769. 即ちこの場所は威力的な貯蔵区画であり、知識の点で認識したこと、学習されること、別な時に実現する事など全てが貯蔵されるのです。即ちここには、あらゆる種類の知識において発見されるものが、全て初めから蓄積されています。

770. この場所はあらゆる知恵の貯蔵区画であり、人間や霊体が霊力により秘密の言葉を鍵として用いる時、そうした知恵者には誰にでも近づきやすい所なのです。その秘密の言葉により、区画の扉は彼に開かれ、彼はそこから足を踏み入れ、知識を取り出すことが出来るのです。

771. まことに知恵者は真に必要とする時に、ここからほんの僅かな知識を取り出すのです。つまり彼は、それを奪うというのではなく、必要を満たすのです。

772. 又知恵の区画は、知恵者の理解の段階に応じた知識のみを、全ての知恵者に与えるので、彼に負担が掛かり過ぎて理解出来ないという事が有りません。だから彼の悟性や意識は、混乱したり、倒錯したりしません。」

773. ここから私はウリィエルと別な場所に行った。そしてアラハト・アテルサタの他の見張り人であるルファエル、ラグエル、ガブレル、ケルベル、ミィケル、サラケルが私達に加わった。

774. 彼らは私に西の方にある大きな高い山を見せてくれた。そこは堅い岩から出来ており、そこには7つの素晴らしく美しい場所があった。

775. 堅い岩の間のずっと深い所に、何か回転アイロン機にかけられているようなものがあった。それは生きていた人々の姿であることが判った。

776. そこで私はこの場所について尋ねた。今度はアラハト・アテルサタである燃える炎の一つレファエルが私に答えた。

777. 「この7つの至上の美しさを持つ場所は、7つの黄泉の国です。人間はそれをあの世と呼んでいます。

778. この場所には物質体が死んで霊がそこを離れた時に、霊体が集まってきます。

779. 即ち霊体はこの7つの場所に集合しますが、その場所は霊体の持つ純良状態に応じて与えられ定められており、それぞれ異なるのです。

780. そして7つの美しい場所は、7つの異なった世界であり、それらは7つの純良な黄泉の世界と言えます。黄泉は全て物質世界と同時間に有ります。それは純良と粗野の境界によって分離されています。

781. 即ち貴方が至上に美しい場所と見なしているこの世界は、死によって人間の霊が物質的肉体を離れた時に、その霊体が全部集合して出来上がっているのです。

782. つまりそこには、霊が粗野な物質生命から離れ、純良な死の世界に入った時、人間の霊体の住居として造られた所なのです。

783. ここで霊体は、ある一定の期間留まり、ある周期を継続するのです。その期間中に霊体は知識と能力を開発させ、更に生き続け、再びこの場所を離れ、新たに物質的人間体と成って生まれ変わるのです。」

784. ウリィエルはこの場所から遠く離れた荒野へと私を連れ出した。そこはただ闇であり、あたりはすべて悲嘆に満ちていた。

785. 広範囲に広がった恐ろしい平面地域には、死霊が漂っていた。そこからは嘆きの声が出ていき、天の闇の中にまでこだましていた。私はこの恐怖の意味を尋ねた。

786. 今度はラグエルが私に答えて、こう言った。「ここは恐怖の場所です。そこには地上の子等と等しき者によって殺害された、地上の子等の全ての悲嘆が集まっているのです。

787. 即ちここには、殺害された者、苦しめられた者、拷問を受けた者のあらゆる悲嘆が響き渡っているのです。何故ならここには、不義によって生じた人の子等の全ての悲嘆が集合しているからです。

788. 即ちここでは、全ての悲嘆は長い間木霊し、人の子等の間の悪行者達のまいた原因の種や禍根が、いつか消えていく迄響き渡るのです。その間、ここ恐怖の場所では悲嘆が公然となるのです。

789. 死霊は、平安を失ったここの悲嘆を放っており。どの死霊も他と結合してはいません。何故ならそれらは互いに分離され、それぞれの悲嘆は、邪悪な悪行の加える独自の叫びであるからです。その悪行はそれぞれの人の子等に、彼らと同類の者達によってなされたものです。

790. だからすべての悲嘆は互いに隔離しており、ここで異なる場所に再び分化されるのですが、それは又7つの段階に分類されます。

791. ここでは人の子等が、彼らと等しき者により殺され、苦しめられ、拷問を受けたその悲嘆が聞けるのです。又ここでは、有罪者による醜行が償われる迄、彼らはその苛責と没落を明らかにします。

792. だからここでは、悲嘆がこだまし、罪作りの張本人達は何の平安も見出さず、絶えず自分達の醜行を思い出すので、彼らは自分を罪深い者と感じ、その為に義人に心を入れ変えようと努力をするのです。

793. この地帯の7つの場所とは、真実には地上と、つまり全地上を巡る見えない天のことで、そこから人々は、それぞれの生まれ変わりの人生において、自分の行為を思い出すのです。

794. 私エノクは、義にありて万物を創造され、全ての生命を永遠に存在たらしめる創造の壮麗さを讃えた。

795. そこから私は炎の人、見張り人と一緒に別の場所に、西の方の、更にずっと遠くの天と地の果てにまで行った。

796. そこから私は、極めて明るい燃える炎を見た。それは休み無く移行し、夜も昼もその運行を止めなかった。

797. 私は次のように尋ねた:「これは何だろう。何の休みも無い?」

798. 今度はアラハト・アテルサタの一人である燃える見張り人ケルベルが、私に答えてくれた。「貴方の見ている絶えず西に向かって流れる燃える炎は、天のあらゆる星の力の炎です。」

799. そこから燃える見張り人達は、私を別な場所に連れて行き、私に夜も昼も燃え上がっている火の山脈を見せてくれた。

800. 私は山脈の近くに行ってみた。すると山脈は実は7つの華麗な山々であり、いずれも他の山とは異なっているのが判った。

801. 山々は華麗でまれな最も美しい石で出来ており、全ては極めて華麗で、見た目には壮麗かつ美しく、驚嘆すべき外見をしていた。

802. 3つの山々は東に向い、その内の一つの山は、他の山々の後ろに並び、3つの山々は南に向い、1つの山は他の山々の後ろに並んでいた。2つの山も、言うなれば一方が他方より高かった。

803. その間、つまり山々の間には、深く曲折した峡谷があったが、それらはこうして他の谷とぶつかりあってはいなかった。

804. 7つ目の山は6つの山々の中央にあった。山々の頂上は皆こうこうたる高見にある創造の王座に等しく、香り高き木々がそこを取り囲んでいた

805. その木々の中には、まだ私が一度も見たことが無い、そしてまだ一度もかいだことのない香りの木があった。

806. 他のどんな薫りも、この木の薫りに比べるものは無かった。そしてその葉も花も木材も、永遠に枯れることは無かった。

807. 即ちその実は永遠に朽ちなかった。それに加えて見事な美しさを備えていた。それはヤシの実の房に似ていた。

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